令和の夏目漱石こと。
こんばんは!
今週の水曜日にまたテストがあるのでなかなか萎えている私ですが、今読んでる『マチネの終わりに』という本のこんな表現を紹介します。
「耳を擘くほどの凄まじい爆音は、ここに届くまでの間に、距離がすっかり手懐けていた。」
距離があるので爆音が小さく聞こえたという場面ですが、距離が手なずけるなんて表現思いつきますか!?!?
作者は平野啓一郎さんなのですが、この人の描写や語彙の豊富さにはつくづく感嘆します。
なんとこの方、京都大学法学部に在学中に投稿した作品で芥川賞を受賞しているという、いい意味でのバケモンです笑
こんな方の頭の片隅を覗ける読書は素晴らしや!と改めて感じていますが、文才という超えられない壁をありありと見せつけられるような感じもして悲哀を感じずにはいられません。
そしてもう一つ僕が唸った表現を。
場面は、イラク戦争にて荒廃した高級リゾートホテルの中庭。
そこには野ざらしにされた白いベンチが朽ちかかっており敷き詰められたタイルからは雑草が伸びっぱなしになっている、という状況です。
「飼い主の手を離れ、野生化した時間の群れ。」
うーん笑
野生化した時間の群れて笑
僕もどっか廃れた場所があったら友達に言ってみようかな。
「おー、あそこ時間の群れが野生化してるなあ。」
その後には残酷な現実が待ってそうですね。
時間と飼い主(ここではリゾートホテルの管理主だと思います)がかつては主従関係にあってきちんと管理されていた、しかし今は野放しになっている。
この要旨をあの文に練り上げて表現することを思いつく人がいるという事実。
逆に僕はこの表現に感動できたことに幸運を感じています。
例えば電車の中で読んで隣の人が臭かったら、、、僕は本の中身に集中できずこの文の表現技巧に気づかなかったかもしれない。
ちなみに僕が紹介した文のどちらとも擬人法なのはみなさんお気づきでしょうか?
例えばブログを書く上で何かしら自分が書くのに使える技法があったら、それだけで文章のレベルが上がりそうですよね。
例えば、僕がスキーをするためにゲレンデにつき、さて滑ろう!って時の表現を考えます。
「今日は今シーズン初めてのスキーだ、ゲレンデに着きとてもワクワクしている。早くスキー板をつけないと!」
うーん、これは小学生の日記。
「今日は今シーズン初めてのスキーだ、ゲレンデがまるで手招きしているように雪もキラキラと小躍りをして僕を迎えてくれる。僕も踊りたくなるのをグッとこらえてスキー板をつける。」
これかなりレベルアップしたんちゃうん!?笑
え、どうですか!?
令和の芥川って呼んでもらっていいですか!?
あー、あの文章を書いてブログを終わればクールだったのにこんな自画自賛をするから僕は夏目漱石止まりなんだ(おい)。
どうも、令和の夏目漱石でした。
そろそろ『吾輩は猫である』のリメイク出すからみんな期待しといてな。
『俺は猫やでい!』
(完全に夏目漱石に対する冒涜ですね)
見なかったことにしましょう!
みなさんも何かいい文章テクニックがあればこそっと教えてください!
ここまで読んでくださってありがとうございました!
また明日!